700系

 

700系は昭和491974)年に登場、3連7本21両が製造されました。

 

福岡市営地下鉄との相互乗り入れに備え、半鋼製で火災に弱い200系を置き換える必要が生じました。しかし200系は戦前形を中心に老朽化が進行していたとはいえ、戦後形は製造から25年以下であり機器はまだまだ使えました。

また車両を大量に増備する必要がありましたので、多くの廃車を出す余裕はありませんでした。

 

さらに急行車のクロスシート車比率を高めるため、1000系の一部を南海電気鉄道11001系の発生品である2扉転換クロスシート車体に載せ替え急行車1500系に編入することとしました。

 

そこで一部の1000系を1500系に編入する際に発生した車体と、200系戦後形の機器を流用して700系が誕生しました。内訳は流用車体+200系4次車の機器を組み合わせたものが17両、新製車体+200系5次車の機器を組み合わせたものが4両です。なお必ずしも全車が先頭車である必要はないので、新製車体車4両は全て中間車です。

近代的な両開き4扉の軽量全鋼車体とつりかけ駆動のギャップが特徴です。またつりかけ車ながら冷房も搭載されました。

冷房車であるため、準急運用に就くこともしばしばありました。

 

当初は3連でしたが通勤輸送のため4連化され活躍、さらに福岡市営地下鉄との相互乗り入れを前に6両化されました。

1M方式で全電動車のため、1両が地下鉄トンネル内で故障しても残り5両で牽引できることもあって旧性能車ながら地下鉄直通の大役を担いました。

 

晩年は平日ラッシュ時や北方線での運用が中心でした。

 

平成21990)年に全廃され、これにより西京電鉄からつりかけ車が消滅しました。

車体は20m4扉で輸送力にも優れており、まだ使えるので活用することにしました。ちょうど初期新性能車で2扉元急行車の1500系があったので同時期にこれを廃車し、700系の車体と1500系の機器を組み合わせて1000系に編入し当面の間使用することとしました。